ローカルルールは仕事の質を低下させる

コンプライアンスが声高に叫ばれている今、多くのルールが設けられ、それを遵守することが徹底されるようになりました。しかしこれは望ましい状況とはいえません。

ローカルルールは仕事の質を低下させる

「ルール」と「モラル」

ルールとモラルについて、どのような意味かを知っていても違いについて明確に把握している人はどれくらいいるでしょうか。
モラルとは目指すべき中心のことです。中心に近ければモラルが高く、離れるほどモラルが低い、ということになります。そのモラルの中心からこれ以上離れてはいけないという境界線が「ルール」です。よく「一線を越えたらアウト」という言葉を聞きますが、「一線=ルール」なのです。ルールを守る、つまり一線を越えないことが大切ですが、あまりにルールが強調されてしまうと中心ではなく境界線上のギリギリのところに立つ人も多くなってしまいます。そのような人は中心から離れているにもかかわらず、「境界線の内側にいる=ルールは守っている」と平気な顔をしがちです。ルールはモラルから離れないように律する手段のひとつでしかありません。ルールを守ることが目的なのではなく、より高いレベルのモラルを身につけることが大切なのです。ルールを過剰に設けることによって、モラルよりもルールを重視する逆転現象が起きています。

硬直的な対応になる

「ルールを守るように」と言われ続けているうちに形式主義に陥ってしまい、効率が良い方法でも「ルールから逸脱するからダメ」と硬直的な対応をしてしまいます。効率よりもルールを重視することは組織の停滞にもつながってしまいます。さらに、不測の事態が起こったときも適切な対応ができずかえって悪化させてしまう可能性もあります。

環境を整えることが大切

ルールは内容が詳細に記されているため、ある程度工程が決まっている場合は親切ですが、不測の事態が起きたときは役に立ちません。ルールに沿ってすすめれば自分で考えなくてもすむため楽な道を歩けるわけですが、ルールで想定していない事態が起きてしまうとどうすればいいのか分からず、立ちつくしてしまうしかないのです。
内容が抽象的なモラルは不親切なように思いがちですが、目標がしっかりと定められているため、何か起きてもぶれずに到達できるのです。到達するための手段は縛りがなくそれぞれに委ねられているため、自分で考える大変さはありますが、不測の事態にも迅速に対処できます。
ルールは従業員の制御性を育てるもの、モラルは従業員の自主性を育てるものです。仕事の量を追求するときにルールがあれば便利ではありますが、競争社会の今は自主性のある従業員の方が有利になります。過剰にルールを設けるのではなく、自主性を発揮できるように環境を整えることが、仕事の効率化には必要です。

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自分に合った転職エージェントを利用する

求人には一般公開されている求人と特定の人にしか紹介されない非公開求人の2種類があります。転職エージェントに登録すると、高待遇の求人が多い非公開求人を紹介してもらえるため、希望条件よりも良い条件で転職できます。

看護業界

特殊なルールが多いといわれている看護業界では決して口に出してはいけない「魔の言葉」があります。多忙だといわれている看護師にとって、比較的穏やかな時間を壊してしまうその魔の言葉は、口に出さず心の中で唱えるのがルールです。

ローカルルールを設けるメリット・デメリット

ローカルルールを設けることで仕事の効率が上がり、業績アップにもつながりますが、締めつけ過ぎるとマニュアルに沿った画一的な考えしか持たなくなります。既存のやり方ばかりで新しいアイデアが生まれないと時代に取り残されてしまうでしょう。